ドル安を阻止するため独・仏・伊と日本が協調
1994年5月11日、止まらないドル安に歯止めをかけるため、独・仏・伊の通貨当局が一斉に公定歩合を引き下げた。三重野泰日銀総裁も短期金融市場に資金を多めに供給する金利の低め誘導を認め、無担保コール翌日物の金利は過去最低になった。このため、東京外国為替市場ではドルが持ち直し、円が1円近く下がって、1ドル104年台の円安ドル高になった。
投機的なドル売りを抑え。「ドル防衛」をめざす世界的な体制が鮮明になってきた。
◆いま◆コロナ禍などに端を発したインフレを抑えるため、米国やEU、英国は矢継ぎ早に金利を上げてきたが、日本はようやく「マイナス金利」を脱しただけ。円安が急速に進み、一時は1ドル=160円台に沈んだ。通貨当局は巨額の円買い介入で防戦に必死だ。