過労死の認定基準を緩和

基準が厳しすぎると批判が高まっている過労死の認定について、労働省は１９９４年１２月１９日、運用を緩和するとの通達を各労働基準監督署に出すことを決めた。本人の年齢や経験を考慮して弾力的に判断し、これまで判断の対象外だった「発症の１週間より前の仕事」も対象に加える。１９９３年の過労死認定は請求の１割にも満たない３１件しかなく、労働省が認めなかった請求が裁判で認められるケースが６件もあった。
◆いま◆
認定基準は２００１年と２０２１年に改訂され、「月８０時間を超えたり、これに近い時間外労働」「精神的な緊張、心理的な負荷」などが加わった。精神障害の請求が増え、２０２３年の支給決定は８８３件となり、すべての支給決定件数の８０％を精神障害が占めている。