女性宇宙飛行士の向井さん、夢かなえ帰還
1994年7月23日、日本女性として初めて宇宙を飛んだ向井千秋さん(32)らを載せたスペースシャトル・コロンビアがケネディ宇宙センターに帰還した。当初の予定より1日多い14日間と17時間をかけ、地球を236周して、シャトル最長飛行を記録した。向井さんはメダカやイモリを使った宇宙での実験も順調に終え、2000年代初頭から運用される予定の国際宇宙基地に向けて基礎を築いた。夫の万起男さんによると、帰還後の第一声は「元気、元気、大丈夫だから」だったという。
◆いま◆
日本人の宇宙飛行士はこれまでに計14人。うち、向井さんに続く2人目の女性として技術者の山崎直子さんが2010年に宇宙へ飛び、15日間の滞在で国債宇宙センターの組み立てや機器と資材の搬入などを担当した。
1994年、外国人登録者数が総人口の1%超(1.08%)に
◆ 日本の人口は、加速度的に減少している。人口問題研究所は、出生率が1.36程度として、2024年1億2389万人の日本の人口が、2056年に1億人を切り、2070年に8700万人になると予測する。スローダウン、脱成長経済いいじゃないかという人もいるが、人口減少が続けば→労働力人口が減る・人手不足→経済成長率・税収が下がる→賃金は上がらない→国民生活は貧しくなる→社会全体が回らなくなり成長鈍化→経済が破綻することになりかねない。AIやロボット、ドローンの活用、3Dプリンターを使った製品作成等で何とかなる分野もあるが、それとて細部に人の手が必要だ。介護、教育、医療、警察・消防・救急、インフラ整備など、人の手が入らないと立ち行かない分野も多くある。経済社会を回していくには、人口減少を止めないといけない。それが止まらないなら、海外からの移民の受け入れを積極的に推進する以外にない。「移民による人口増」社会を考える時に来ている。しかし、移民に対するアレルギーを持つ国民も多くいる。どうやって「共生」社会をつくっていけばいいのか。
◆ 外国人登録者数は、1989年にはおよそ99万人だったが年々5%~13%の割合で増加し、94年には135万人余りで総人口の1%を超えた。
2018年に外国人労働者向けの新しい在留資格が付与される特定技能制度が創設された。23年末には在留外国人数は341万人(中長期在留者数313万人+特別永住者数28万人)で、前年に比べ34万人も増加した。中長期在留者とは、日本人と結婚している人、日系の人、特定技能実習生、留学ビザの人などをいい、特別永住者とは、日本の敗戦時、平和条約に基づき日本国籍を離脱したが、すでに日本に定住をしていたことから永住資格が付与された韓国・朝鮮・台湾の人などである。
日本の移民の構成は約6割が労働移民である。一方で、先に入国した移民が出身国から配偶者や子どもを呼ぶ家族移民は3割に満たず,少ない。日本では、人手不足対策として外国人を見ている。
◆ 日本社会の外人意識、差別性、排他性は薄められるのか?多文化共生社会を実現できるのか?「移民」問題の最大のネックはそこにある。
歴史社会学者・小熊英二によると,「日本は単一民族国家である」という考え方は、日本の植民地だった朝鮮・台湾が戦後独立し、「日本帝国臣民」とされた朝鮮人、台湾人が「外国人」と位置付けられた時から顕在化する。この現実を正当化しようと、政治家や学者などの間で単一民族国家・日本という考えが広まっていった。加えて経済成長を遂げた日本社会の分析に、欧米識者は、異文化との交流が少なかった島国である点と単一民族国家である点を挙げ、均一性・協調性が経済成長を果たせた要因だという解釈をした。国内外で単一民族観が広まる結果になったが、その裏面には日本社会の排他性・人種主義・差別的行為がある。
◆ 多文化共生社会の実現のためには、まず、名古屋出入国在留管理局に収容中に体調不良を訴えても詐病とされ、見殺しにされたウイシュマさんのような人権無視の扱いはあってはならない。<人権>を前面に打ち立て、外国人とのコミュニケーションを積極的に図る。ことばは人と人の関係を作り出すもの。それが社会の姿を変え世界を変える。意思疎通こそ日本社会の外国人に対する差別性・排他性を切り崩す方途である。
<人権>のお花畑を満開に!