南アフリカの白人支配が終幕
1994年5月3日、全人種が初めて参加した南アフリカ共和国の国会・州議会は半分以上の開票が済んだ時点で、アパルトヘイト(人種隔離)政策を撤廃に導いた「アフリカ民族会議(ANC)」の勝利が確実となった。ネルソン・マンデラ議長(75)はヨハネスブルグの集会で勝利演説し、新政権を担っていく決意を表明し、「われわれに暴力を振るった人びとにも手を差し伸べ、われわれはみんな南ア国民だと言おうではないか」と国民に和解を呼びかけた。
南アフリカ共和国は、340年以上にわたった白人単独支配にかわって、黒人を中心とする国民統合政府による新しい時代の幕を開けた。
◆いま◆ 南アフリカ共和国は、人口約5750万人(世界で26位)、GDPは7923億ドル(同30位、いずれも2020年)。成長が期待されるBRICSに加盟している。
★★「一世代、30年」と言われる。一世代前の世界と日本はどんな姿だったのか。朝日新聞の縮刷版で振り返ってみたい(サイト管理人・清水建宇)